大滝建具は正直な建具屋です
とことん話を聴いてもらいたい!
本物の木を生活に取り入れたい!
木で造られているこれ、どこに頼めばいいの?
化学物質化敏症で悩んでいます…
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FAX 0234-28-8118
営業時間 AM8:00~PM5:30
定休日 日曜日、第2・4土曜日
いつも障子張替えなどでお世話になっているお客様から
「建具を作って貰いたい。」
と、ご依頼を頂きました。
数寄屋造りのしっかりした作りのお宅だったので
どこに、どんな建具を収めるのか内心ドキドキしながら伺いました。
ご依頼の内容は
① 仏間の仏壇の前に引戸を取り付けてもらいたい
② キッチンと居間の仕切り(既存は硝子の入っていない襖)で居間の様子が見えるようにしたい
③ 仏間の脇に収納扉を付けてたい。
④ 掃き出しの障子を張り替えしたい。
と言うものでした。
①の仏間に取付する建具は、この辺りでは
( こういったタイプが一般的です。 )
黒い縁で腰板の部分に彫刻を施し金箔を押した建具が一般的ですが
センスの良いお客様だし
数寄屋造りの家でシンプルな物の方が似合いそうでしたので
思い切って 「 障子 」 をご提案しました。
障子と言っても、紙は普通の障子紙ではなく、強度も十分な「タフトップ」という紙を使います。
お客様に嫌がられるかな・・・とも思いましたが
逆にノリノリで、少しホッとしました。
②のキッチンと居間の仕切の建具は
今まで和室側 : 襖 キッチン側 : クロス(壁紙)が貼ってあり
額(ガラス部分)も無い為、少し閉鎖的に見えました。
ここは、硝子戸にして開放感を出してはどうでしょう?
③の扉は和室にも合ってモダンな感じのこんな面材で行きましょうか?
④はいつ頃だとご都合よろしいですか?
と、打合せは進んで、まずは図面を引いて御見積と一緒にお持ちすることにして帰ってきました。
まずは、図面書きです。
暗くて良く見えないですがこんな感じでいつもCADで図面を書きます。
(手書きだと自分に都合の良い絵になって、実物と微妙に違う時があるので・・・)
出来上がった図面と御見積をお客様にお見せしました。
「出来上がりがとても楽しみ」
とおっしゃっています。
・・・プレッシャーがかかります。
「楽しみにお待ちしていて下さい」
早速、②の硝子戸から製作にかかります。
今回の硝子戸には「腰板」が入ります(腰板:建具の下部に入る板)
予算の関係や、お客様のご要望で板目(うねうねした地図みたいな模様の板)
を使うことが多いのですが今回は「柾目」(ストライプが細かく入っている板)
の板を入れる事にしました。
「柾目」の板は、巾の大きい物が取れないので巾の内板を貼り合わせる所から始めます。
こんな感じの巾の板を貼り合わせていきます。
貼り合わせて段差を削った物がこちら
そして今回は、それだけでは終わらずに「うずくり」を施します。
(きれいに仕上がった板をブラシの様なものでこすって木の堅い部分を出します)
こうなります。
で、枠に組み付け、塗装後に硝子を入れて完成!
(こうして書くとすごく簡単に出来てる様な気がする・・・けどけっこう時間掛かってます)
スリ硝子と透明硝子を市松に入れたので、向こうの様子が見えたり見えなかったり。
腰板の「柾目」もスッキリしてカッコイイです。(私自身は柾目が好きです)
①の障子も出来上がりました。
(こうして書くとすごく簡単に出来てる様な気がする・・・けどけっこう時間掛かってます)
2回目です。
③の収納も完成です。
お客様にも了解して頂いたので、取付後の画像もお見せします。
①仏間の建具(障子)
数寄屋造りにとてもマッチしています。
②キッチン・居間の仕切り(ビフォー)
②キッチン・居間の仕切り(アフター)
硝子になったので、明るい感じになったと思います。
③収納扉
こんな感じ・・・ってあれ、簾がじゃまして扉開かないじゃん!
・・・まいった
・・・失敗したか?
・・・・実はこの扉、ひとつ仕掛けがありました。
こんなふうに途中で折れるようになっていたんです!
「隠し蝶番」っていう閉まっているときはどこからも見えない丁番を使っています
下の方の楕円のヤツです。
上のヤツは
折れ曲がり部分の固定の為の金物でした。
出来上がりの全体像はこうなっています。
なんと、お客様は建具交換に合わせて家具を新調なさってました。
家具と建具が違和感なく収まっています。
お客様にも大変喜んで頂き嬉しい限りです。